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『史上最強の内閣』
- 2018/02/21(Wed) -
室積光 『史上最強の内閣』(小学館文庫)、読了。

ブックオフのワゴンに平積みになっており、
なんとなくジャケット買いしてしまいました。

キワモノ系かと思ったのですが、
麻生内閣の頃の主要政治家をネタにした登場人物が満載で
時事ネタパロディモノとして、かなりのレベルの風刺が効いてます。
同時代を生きていないと面白さは全く分からないでしょうが、
今ならまだ全然面白く読めます。
むしろ、その後の民主党政権のことも踏まえて読むから
深読み出来て一層面白いのかも。

しかも、物語の発端が、北朝鮮が日本に向けた中距離弾道ミサイルに
燃料注入を始めたことが分かり戦争か!?という緊張状態にあるという、
何だか、もう、今そのもののような展開で、目が離せません。

それに対応するのは、麻生内閣ならぬ浅尾内閣なのですが、
なんと内閣を放棄して、京都に秘密裏に続いているという「本物の内閣」に
有事の政権運営を丸投げしてしまうという暴挙に。
この存在を知らなかったのは日本国民ばかりで、
米国も中国も政治トップは存在を認識していたというおまぬけなところが
いかにも日本人らしい展開でまた笑ってしまいます。

かくして登場してきた「本物の内閣」の閣僚の面々は、
皆、本音で政策をぶちかます剛腕ばかり。
だってミサイルが飛んでくるかもしれない有事だから。

本作ではドギツイコメディになってますが、
本当に有事になったら、これぐらいの剛腕がないと敵と向き合えないと思います。

だから、もし東日本大震災の時のようなへなちょこ内閣だったら、
本当に有事内閣に丸投げした方が日本が生き延びる可能性が高い気がします。
ま、法制上あり得ないのは分かっているのですが。

本作ではさらに、北朝鮮の将軍様の息子シン・ジャンナムが
この騒動の最中に浦安のネズミーランドにて偽造旅券所有の疑いで拘束されるという
てんこ盛りの展開になっています。
しかも、単なる小ネタではなく、そこからサブストーリーが進行して
日本メディアを巻き込んでの大騒動というか大フィーバーに発展していくという
まさにお花畑ニッポンを嗤うようなストーリー。

とことん日本人の平和ボケをからかってますが、
実際に起こっているメディア狂騒曲は同じようなレベルなのかもしれませんね。

本物の内閣の打った手として、「鉄砲玉作戦」は、正直あまり面白くないというか
この内閣の品質に合致していない気がしましたが、
まあ、最後の展開までネタとして扱われていたので、コメディ的には合格なのかな。

肝心のミサイルの方も、着弾の展開がご都合主義じゃないか?と思ってしまいましたが、
その後の真相解明によって、一応、筋は通っていると分かったので
まぁ、ハチャメチャな展開に強引にフィナーレを付けようとすると
こういう成り行きになっていくのかなと納得。

というわけで、物語構成の緻密さの点では、少し難を感じましたが、
それを跳ね飛ばす政治家いじりのレベルの高さで
面白い作品に仕上がってました。

現在の北朝鮮危機において、安倍首相、麻生副首相を筆頭とする
現内閣の体制で良かったなと安心した次第です。
本作の解説者は、安倍政権に難癖付けてましたが(苦笑)。


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