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『株主代表訴訟』
- 2018/02/24(Sat) -
牛島信 『株主代表訴訟』(幻冬舎文庫)、読了。

著者が「ビジネス・ロー・ノベル」と定義する本作。

三越事件を想起させる天皇会長とその愛人の女帝が登場し、
その専制支配が続く百貨店・赤木屋に対して、外資による買収作戦が仕掛けられ、
そのターゲットとして監査役が狙われる・・・・。

私自身、前に勤めていた会社で、株主総会や親会社の窓口を担当していたので、
相応に会社法については勉強しましたし、
監査役の方々との接点もありました。

しかし、本作で描かれたように、
監査役と株主代表訴訟との関係について考えたことがなかったので
非常に新鮮な気持ちで読めました。

そもそも私が居た会社は株主2名(2社)の非公開会社だったので
株主代表訴訟とかは全く頭になかったということなのですが(苦笑)。
確かに、株主代表訴訟になると、経営陣とは利害が対立するわけで、
客観的に会社を代表するのは監査役の役割になるんですね。
なるほど。

本作では、外資グループから監査役宛に矢継ぎ早にレターが届き、
逃げ場がないところに追い込まれます。
無視して天皇会長に身を捧げるのか、監査役としての職務を全うするために反旗を翻すのか、
その2択を迫られ、商法の縛りからすると後者を選択します。

やむを得ず反旗を翻さざるを得なかったという事情は分かりますが、
その割には、なんだか急に格好良くなっちゃったなと。
元々の水上という人物は、自己主張がなく、
与えられた職としての監査役に何の思い入れもなく、惰性で仕事をしていたようです。
なのに、外資に煽られて勝手に監査役室を独立させたときから
急に活き活きし始めるのは、「そこまで肝の据わった男じゃないだろう・・・・・」と
思えてしまったのです。失礼ながら。
それだけ、パートナーとして付いた辻田弁護士が有能だったということなのでしょうかね。

監査役室を勝手に作れるとか、費用を全て会社に請求できるとか、
監査役の権限をフルに使って天皇に支配された会社を浄化しようとする動きは
非常に面白く読めましたが、その主人公たる人間にあまり魅力を感じなかったという
ところでしょうか。

会社法(この時は旧商法ですかね)の考え方を学ぶには
面白い本だと思います。


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牛島 信

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