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『FINE DAYS』
- 2018/01/15(Mon) -
本多孝好 『FINE DAYS』(祥伝社文庫)、読了。

本多作品は、ウィットと毒のバランスがとても好みなのですが、
本作は、これまでに読んだ中でも、一番かも。

表題作は、高校の教室の中で浮いている僕といじめられっこの彼、
不良少女の彼女と、1学年下の美人転校生の彼女。
この4人が馴染めない教室という「世間」。
「スクールカースト」という言葉が頭を過る設定です。

この4人の存在のリアリティがとてつもなく強いのに、
展開されていく物語はSFというかサスペンスというかホラーの領域。
人が呪い殺されるという・・・・・。

そういう変な問題に4人が関り合っていくのに
なぜか圧倒的なリアリティ。なんなんでしょ、これは。

機知に富んだ4人のやりとりに、イマドキの尖った高校生の姿を
私が必要以上に重ねてしまっているのでしょうかね。
今、欅坂46のアルバムをヘビーローテーションしているので、
「エキセントリック」の世界観のようなものを本作に投影してしまったのかもしれません。

続く「イエスタデイズ」も、SF恋愛モノなのに、
SF要素にも恋愛要素にも惹かれず、父と息子の葛藤みたいなものに惹かれてしまいました。
思春期の親子関係の難しさと、一度捻じれてしまった関係を修復する難しさ。

「眠りのための暖かな場所」は、大学のゼミという閉じられた空間の中で、
院生でヘルプに入っている私と、学生の男の子、女の子、そして教授。
みんなウィットに富んだ会話ができるのに、どの言葉も非常に刺々しい。
攻撃的な機知が飛び交っている世界でした。
現実には、こんな人間関係は珍しいんだろうなぁ・・・・・と思いながらも、
彼らの存在感はやはり確かに感じられて、
私たちが本音をあと10%ずつ表面に出すようにしたら、
こんな感じになるのかも・・・・と思えるほどでした。

最後に収録された「シェード」だけは、ちょっと私にはピンとこなかったのですが、
それでも、作品の最後を飾るには温かい作品だったと思います。

良い作品を読めて満足、満足。


FINE DAYS (祥伝社文庫)FINE DAYS (祥伝社文庫)
本多 孝好

祥伝社 2006-07-01
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