『世間のカラクリ』
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- 2017/12/18(Mon) -
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池田清彦 『世間のカラクリ』(新潮文庫)、読了。
清彦節な本。 様々な科学的テーマに対して、 世間が持つ誤ったもしくは錯覚を与える思い込みを斬っていきます。 個人的に興味深かったのは、地球温暖化の話とSTAP細胞の話。 温暖化に関しては、最近読んだスティーブン・レヴィットの本でも、 「自然科学の知識が豊富な人ほど、穏健な意見よりも極端な意見を持ちがち」という ポイントの例示として、温暖化主張派と反対派の対立が紹介されていましたが、 自分自身も含め、極端な表現を使ってしまうのはそのとおりだなぁ・・・・と思っていたところでした。 でも、やっぱり、少なくとも本を読むにあたっては、 穏健派の意見よりも賛成派や反対派のエッジの立った意見の方が読みやすいですし、 自分と違う意見であれば、何が違うのかを考えやすいです。 科学的知識の豊富な人の役割として、科学的知識の発信というものがあるならば、 やっぱり立場は極端なぐらいの方が、世間の議論の喚起や深耕には役立ちそうです。 社会的な役割と自分の信念というものを、きちんと整理していられるかという ところが大事なように思いました。 もう一つのSTAP細胞ですが、これはもう、 で、結局、STAP細胞というのは存在する可能性があるの?ないの?という話であり、 科学者としての推理を読んでいて興味深かったです。 そこに、実績を上げたい、ライバルに差をつけたいという 人間の欲も絡んで、目が曇ってしまっているようです。 理知的なだけでは解決できない人間のドロドロが ある種、この手の問題の興味深いところですね。
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