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『弱くても勝てます』
- 2017/12/10(Sun) -
高橋秀実 『弱くても勝てます』(新潮文庫)、読了。

進学校で有名な開成高校の野球部に密着したルポ。
開成高校が甲子園の東京大会でベスト16になったなんてニュース、知りませんでした。
しかも、コールド勝ちとか、強豪校に勝つとか、
なんだか凄い試合結果です。

そのニュースの後から密着取材を始めた著者。
部員が入れ替わり、再びゼロの状態に限りなく近くなった開成高校野球部の
練習や試合に足しげく通った渾身のルポ。

最初、著者独特の文体というか、取材対象との距離感というものに慣れず、
読みにくさを感じてしまいました。

ところが、著者の文章以上に、監督が独特で、
さらに選手たちの発言も高校生らしさを感じさせない哲学的な内容で、
そちらの毒っ気に当てられて、著者の文章は気にならなくなりました(笑)。

「思い切りバットを振れば、当たれば飛ぶ」
「打たれるのはストライクを投げられている証拠だから気にするな」
「捕球態勢が間に合わないボールは例外だから捨てろ」

何とも凄い指導内容です。
しかも、試合中に大声でそのアドバイス(?)をフィールドの選手に向けて言い放つという
相手チームからしたら、やりにくいと言うか、笑いをこらえるのが大変と言うか。

しかも、その監督の言葉を素直に受け止め、
自分なりに実践しようとして逆に苦悩する選手たち。
まず頭で考えてしまうので、とにかく理屈っぽい。

その理屈っぽさに、著者は真正面から挑もうとして
何度も何度も選手たちにインタビューを重ね、質問を投げていきます。
明確な答えが返ってくることもありますが、
むしろ、曖昧な答えだったり、割り切れない答えが返ってきたりすることが多く
その時に、著者なりに推論を立てているその内容が面白かったです。

開成高校生というものは、どういうモノの考え方をしているのか
という点が詳らかになっていくようで、興味深く読みました。

どの選手も、自分なりの意見を持っていて、自分のことを客観的に分析しているのですが、
そのどれもが第三者的というか、部外者的というか、
なんだか他人事みたいなんですよね(苦笑)。
観察対象が自分・・・・みたいな。

その客観性が、頭の良さを感じさせますが、
しかし、やっぱり情熱感が足りないというか。
高校野球っぽくないんですよね。

この異質感、異物感が面白いです。
一度試合を見てみたいぐらいです。
誰かハイライト動画とか作ってないかしら。


「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)「弱くても勝てます」: 開成高校野球部のセオリー (新潮文庫)
高橋 秀実

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