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『働くことがイヤな人のための本』
- 2017/12/06(Wed) -
中島義道 『働くことがイヤな人のための本』(新潮文庫)、通読。

別に、働くことがイヤになったわけではないのですが(苦笑)、
私の「読みたい本リスト」の中に著者の別の本がリストアップされていて、
たまたま100円で本作を見つけたので、とりあえず買ってみました。

が、うーん、何言ってるのか分からない本でした。

働くことがイヤな4人の人間を登場させて、
著者と4人との仮想対談という形で話は進んでいくのですが、
読んでて、ものすごく置いてきぼり感がありました。
それは多分、私が、4人の誰にも共感できないからだと思います。
ま、仕事がイヤという気持ちがないので、共感できなくても仕方がないですが。

そして、その4人に向かって著者が語り掛ける内容が、これまた抽象的で良く分からず。
仕事との向き合い方を話すのかと思いきや、もっと大きな生き方とか考え方とか
そういう精神的な話、言ってしまえば、哲学的な話(笑)に終始しており、
仕事というものが持つ現実味のある重さというか差し迫った緊張感というか
そういうものが議論の中から感じられません。

「生きるのがイヤになった人のための本」と銘打ってもらった方がしっくりきます。
生きるのがイヤだという症状を、仕事のせいにしているように感じられて
厭な感情の処理の仕方だなぁと嫌悪感を抱いてしまいました。

ほぼ流し読みでしたが、最後、斎藤美奈子氏の解説を読んで納得。
この本の何がダメなのか良く分かりました。
社会で人間として生きていくには、著者の教えよりも、斎藤氏の観察眼&分析力を
身につけた方が数倍役に立つように思います。


働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)働くことがイヤな人のための本 (新潮文庫)
中島 義道

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