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『生存者ゼロ』
- 2017/12/03(Sun) -
安生正 『生存者ゼロ』(宝島社文庫)、読了。

ブックオフのワゴンに平積みになっていました。
「このミス」大賞受賞ということで、「このミス」と相性の悪い私は不安を覚えましたが、
自衛隊員が主人公ということで、若干の希望を抱いて読んでみました。

が・・・・・不安的中。

そもそも、これってミステリーなのか?という疑問が(苦笑)。
以前も、大賞受賞作に対して同じ感想を持ってしまったのですが。

北海道沖の石油掘削基地で起きた職員全滅事件。
感染症の疑いが濃厚で、現場に急行した自衛隊員とアフリカから帰国した感染症学者が
その謎に挑んでいきます。

自衛隊員が主人公という設定や、パンデミックへの対処方法のアイデア、
そして、事件の真相は、興味深いものだったと思います。

しかし、政府首脳のボンクラ加減が半端でなく、
その描写が、作品全体のリアリティを毀損しているように感じました。
ま、作品が書かれた時期が、民主党政権下だったので、
当時の政情を反映しているのかもしれませんが、
最初の事件から第2の事件、そして第3の事件まで結構間が空いているのに
その間の政府の無能ぶりに対して罷免や政権交代の声が世論から上がらないのは
あまりに日本人をバカにした展開だと思いました。

こんな政治判断は有り得ない、
仮にその時の首相が無能の極みであったとしても、
政治が、そのような人間が国の長を続けることを許さないはずです。
国家とは、そんな脆いものではないはずです。

自殺願望のある部下を建物の屋上に放置して上官が飲み物を取りに行ったり、
自衛隊にとって最高機密のはずの部屋に民間人博士がいきなり電話をかけてきたリ、
ポイントとなるストーリー展開の部分でも、首を傾げたくなる非合理な行動が多いです。

あと、感染症学者の富樫のキャラクターが、ここまでやる必要があるのか?という演出ぶり。
アフリカでの家族喪失の物語に始まり、
コカイン中毒、破壊衝動、神との対話など、てんこ盛り。
人格として崩壊しているのに、それでも日本国家がこの男を頼るという判断も
荒唐無稽でリアリティがありません。

長い作品なだけに、疲れました。


生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)生存者ゼロ (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
安生 正

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