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『硝子のハンマー』
- 2017/12/01(Fri) -
貴志祐介 『硝子のハンマー』(角川文庫)、読了。

本作を読んだつもりになっていましたが、
どうやら『青の炎』と記憶がごっちゃになっていたようです。

で、その記憶の誤りとタイトルの印象から、
少年が主人公のようなつもりで読み始めてしまいましたが、
女弁護士と中年男が主人公でした(苦笑)。

会社の社長室で起きた密室殺人。
隣の部屋にいた専務に疑いがかけられるも、
専務に雇われた女弁護士が防犯コンサルを雇って密室の謎解明に挑む。

動機云々よりも、密室の謎を如何に解決するかということに主眼が置かれた
本格推理モノです。

監視カメラや赤外線センサー、警備員の目、秘書の目、
様々なものをかいくぐる可能性を1つ1つ潰していきます。
それはもう、くだらないマンガのような発想から、意表を突く方法まで。
思考テストを繰り返し、モノによっては実験をしていきますが、
どれもどこかで躓いてしまい・・・・。

最後にたどり着いた真相は・・・・・・、うーん、現実味はどんなもんなんでしょうか?
仮に実行できた方法だとして、それを普通の頭で殺人方法として思いつくか?という点では
やっぱりクエッションかなぁ。
まぁ、本格モノに現実味を求めてはいけないのかもしれませんが。

前半の、女弁護士と中年男が思考バトルを繰り広げている過程のテンポが良く
ぐいぐい読めたのですが、後半、突然、主人公が高校生に切り替わってしまい、戸惑いました。
急ブレーキ踏まれたみたいで。

そちらも読み進めると面白い真相に繋がっていったのですが、
殺人に至るバックボーンについてじっくり描き込まれている分、
やはり殺人方法のリアリティの無さが浮き彫りになったような印象です。

そして、ここまで用意周到に計画を立て、着実に実行しておきながら、
なんで最後、凶器をそこに置いちゃうのかなぁ・・・・という杜撰さもアンバランスな感じが。

どこか引っ掛かりの残る作品でした。


硝子のハンマー (角川文庫)硝子のハンマー (角川文庫)
貴志 祐介

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