『BAR追分』
| ||
- 2017/10/24(Tue) -
| ||
伊吹有喜 『BAR追分』(ハルキ文庫)、読了。
伊吹作品2作目。 こちらはバー/バールが舞台ということで、 やはり料理やお酒が良い味を醸し出している作品です。 東京のとある繁華街の隅にある「ねこみち横丁」。 昔ながらの商店街の人情を残した街には、魅力的な人々が暮らし、 横丁の最も奥には、みんなが集うBAR追分がある・・・・・。 人情のある商店街が舞台というだけで、 地方のしがない商店街生まれの私には嬉しい設定です。 シナリオライターを目指しながらも芽が出ず、 HP制作の原稿書きで食いつなぐ30歳目前の男。 ひょんなことから、ねこみち横丁のHP作りを依頼されることになり、 BAR追分の2階の空き倉庫に住まわせてもらうことに。 そして、BAR追分で、様々な人の人生と出会うことに。 まずは、BAR追分で出される料理の数々が美味しそう。 こんなので儲けが出るのか?と心配になるほど手のかかった料理たち。 雨の日や寒い日、暑い日といった環境とのマッチングも素敵で、 どの食事シーンも美味しそうです。 さらに、夜の時間に登場するカクテルたち。 味わいだけでなく、作り方や味付けのポイントも紹介されており、 あまりカクテルを知らない私でも興味を持ちました。 CCジンジャーとか飲んでみたいです。 で、肝心のお話の方ですが、 父娘の関係だったり、仕事の意欲の問題だったり、自分のアイデンティティのことだったり、 どれも普遍的な悩み事で、それぞれのお話で悩んでいる人物に共感できます。 そして、その悩み深き人に優しく手を差し伸べる横丁の人々の 押しつけがましくない温かさが感じられ、ほっこりした気持ちになれます。 BAR追分の料理を食べたときのように。 ああ、こんな素敵な店で、素敵な料理を食べたい!通いたい!!と思わずにはいられない 素敵なお話達です。
![]()
|
||
コメント |
コメントの投稿 |
トラックバック |
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/5369-bc237d72 |
| メイン |
|