『大人のための残酷童話』
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- 2017/10/23(Mon) -
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倉橋由美子 『大人のための残酷童話』(新潮文庫)、読了。
童話をベースに大人向けにアレンジした作品集。 人魚姫、一寸法師、白雪姫と、冒頭の作品たちは かなり下ネタが入っており、これが延々と続くのか・・・・とちょっと不安になりましたが、 キャッチ―なように冒頭に固めたようで、 途中から下ネタ色はまだらになりました。 皮肉が効いていたり、邪悪さがストレートに描かれていたり、 様々な大人の童話が詰まっています。 ショートショートとして見ると、 オチの上手いものと、斬れ味の悪いものと玉石混じってる感じもしますが、 軽い読書には良かったです。 ところで、改めて童話の世界を眺めてみると、 「かぐや姫」の話って、凄いなぁと思います。 月を天体として認識し、そこに生命体が存在する可能性を前提にしているのですから。 それを、作者の知能が極端に高くて理解していたということではなく、 読者みんなが、その理解を受け入れることができていたというのは、 日本の天文学の世界、宇宙観の理解のレベルは非常に高かったのかなと思います。 古代の人々の知的レベルの高さに驚きました。
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