『蒼ざめた馬を見よ』
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- 2017/10/11(Wed) -
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五木寛之 『蒼ざめた馬を見よ』(文春文庫)、読了。
著者のエッセイで本作を知り、すぐにBookOFFで見つけたので即買い。 直木賞受賞の表題作をはじめ、5つの短編が収録されています。 いずれもロシア絡みだったり、冷戦絡みだったり。 当時の日本や世界の時代状況が滲み出ている短編集です。 表題作は、冷戦下のソ連で、極秘に国外での自作小説の出版を望む著名小説家の元に 日本人記者が原稿を受け取りにいくという、ある種の冒険譚。 短編なので、物語の進行があまりにあっさりと進んでいくような印象を受けましたが、 しかし、コトの真相の部分は、非常に面白かったです。 これは、長編で読みたかったなぁという思いを抱きました。 個人的に面白いと思ったのは「天使の墓場」。 冬山で遭難事故に遭った高校の山岳部。 吹雪の中で退避したのは、山肌に墜落していた米軍の戦闘機の中。 意識を失い、救出された引率教師は、米軍機の墜落がなかったこととされ、 さらには生徒たちが行方不明扱いになっているということを知る。 こちらも、コトの真相の部分が、そういう展開かぁ・・・・という感じで 時代を感じさせてくれます。 やや陰謀論的なところも含めて、時代ですねぇ。
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