『東京観光』
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- 2017/09/04(Mon) -
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中島京子 『東京観光』(集英社文庫)、読了。
短編集です。 中島京子作品は、面白いものとそうでないものの好みの差が激しいのですが、 本作は残念ながら後者でした。 つかみどころのない話が続いて、 ふわふわした不安定な読み心地のまま終わってしまった感じです。 冒頭の「植物園の鰐」は、話の骨組みを理解する前に 終わっちゃった感じで、その時点で作品に乗っかるのに失敗しました。 で、「シンガポールでタクシーを拾うのは難しい」に入っても、 登場人物たちに共感できず、そのままズルズルと行ってしまいました。 「天井の刺青」は面白かったかな。 都会のアパートの隣人という不気味なところを活かしつつ、 変な方向に話が進んでいってしまうのを、 登場人物の1人が語る話を第三者が聞くという設定にしているところが 上手く演出効果になっていたかなと思いました。 「コワリョーフの鼻」とかは、 テーマ設定は興味深いと思ったのですが、 夫婦の会話のあまりに不自然な流れに気を取られて、 結局、コワリョーフの話は目の上を流れていった感じです。 うーん、面白いと思うツボが著者とはズレちゃってるのかな。
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