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『時をかけるゆとり』
- 2017/09/02(Sat) -
朝井リョウ 『時をかけるゆとり』(文春文庫)、読了。

エッセイです。
タイトル通り、ゆとり世代の著者が、
高校時代や大学時代の出来事を振り返ります。

かなり自虐的。
お腹が弱くすぐにトイレに駆け込むこと、
面長であることを不意に周囲から知らしめられること、
無謀なことを無計画にやろうとして直前に現実を見ること、
どれも、客観的に見れば阿呆なことばかりですが、
どこまで素なのかつかみどころがない感じもします。

夏に北海道で行われるフェスに車で行こうとして、
青函トンネルを車で走れないことに直前で気づくとか、
ある種、狙ってそういうことをしでかしているのではないのだろうかと
思ってしまうようなトンチキぶりです。

でも、あんまり嫌みなく、アハハと笑えるように
サラッと書けてしまうのは、著者の力量でしょうね。

早稲田大学ご卒業ということで、
学生時代の話には、ワセダらしい、馬鹿を真剣にやるような遊び心が随所に見られます。
100キロハイクとか、私の大学にも同じようなことをやっている部があり
「学生の馬鹿エネルギーの出ていく先は、似通ってるのかも」
と思ってしまいました。

自分が所属している時代や世代を切り取って描くのが
ものすごく上手い作家さんだなと感じました。


時をかけるゆとり (文春文庫)時をかけるゆとり (文春文庫)
朝井 リョウ

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