『シアター!』
- 2017/08/25(Fri) -
有川浩 『シアター!』(メディアワークス文庫)、読了。

貧乏劇団が内部分裂で借金苦に。
劇団主宰が金の無心に泣きついたのは実の兄。
兄は、これを機に、弟にまともな職についてほしいと願い、
借金300万円を肩代わりし、2年以内に返済できなかったら劇団解散という
激烈な指令を出す。そして、自ら経理を買って出て・・・・・

劇団が舞台という時点で、
私の頭の中では、劇団SHA.LA.LAのイメージで動き始めました(笑)。

個々の劇団のメンバーも、鉄血宰相の兄も、
キャラクターがしっかり立っていて、
逆にちょっとキャラが強すぎてマンガチックになってしまっている部分は、
劇団という非日常的な舞台を用意することで、上手く吸収しちゃってる感じです。

そして、小劇団という、ビジネスベースには乗せにくい事業を
見事にビジネスライクに運営しようとする鉄血宰相の手腕が、
これまた小気味良いのです。

そもそも、この劇団自身にそれなりの集客力があったという点がミソで、
コスト管理ができていなかったから赤字だっただけで、
コストを見直せば十分利益を出せるという部分で、
お仕事小説的にも面白くなっていたのかなと思います。

これが、集客が今一つの劇団が舞台だったら、
「そんな簡単にお客さん増やせないよ~」てな感じで
リアリティの無さを突っ込んでたような気がします。

ひとつ、リアリティの面で気になったのは、
公演最終日に起きたトラブルの内容と影響度合い。

前日に舞台上で起きたトラブルの対処の仕方が非常に上手いというか、
演劇のライブの息遣いみたいなものを取り込んで
見事にトラブルから解決までを描いていたので、
そのドキドキワクワクの感覚のまま最終日のところも読み進んでいったら、
「え、そんなトラブルやっちゃうの???」という感じで
肩透かしを食らったような気持ちになりました。
この展開は、作品の設計としてどうだったのでしょうかねぇ?

本作では、300万円の借金を肩代わりした後の
最初の公演までしか描かれていないものの、
非常に前向きというか、先行きが明るい感じで終わっているので、
何となく、このままいけば300万円返せそうな雰囲気を感じるのですが、
続編ができたということは、何かしらまた事件が起きているはずで、
どんな展開になっているのか楽しみです。


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有川 浩 大矢 正和

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