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『教場』
- 2017/08/19(Sat) -
長岡弘樹 『教場』(小学館文庫)、読了。

この教場とは、警察学校の教室を指しています。
警察官に採用され、配属されるまでの半年間、
みっちりと警察官としての心・技・体を叩き込まれます。

某県の警察学校第98期生の面々が、
どのような思い、野望、陰謀を抱いて入学してきたのか、
連作短編集形式で1話1話、1人1人見ていくことになります。

まず驚かされたのは、校則というか、
勉強から日常生活まで丸ごとを取り仕切る規律の厳しさ。
教官の指導に従い、またテキパキと行動することを求められ、
出来ない奴は即刻クビになる、まさにふるい落とすための仕組みです。

そして、この生活に耐えられた者だけが、
警察組織という独特な組織の一員となり、
犯罪防止、犯人逮捕という命を懸けた仕事に就けるようになります。
これはもう、組織の役割からすると、必要な厳しさなのでしょうね。
規律が緩い警察組織では、日本という国家の存立が危ぶまれますから。

というわけで、そんな警察学校での出来事が描かれるのですが、
主人公となる生徒さん皆、腹に一物持っているというか何というか、野心家ですね(苦笑)。
同級生が50人程しか居ないのに、非常にグロい人間関係が展開されていて、
大丈夫か警察組織!?ってなっちゃいます。

しかも、皆さん、超優秀というか、
自分の野心のためにはやたらと知恵が回る人が多くて、
これは特殊任務機関の話か?と思えてしまいます。

まぁ、この、リアリティという点を無視してしまえば(爆)、
謎解きものというか、冒険活劇というか、
どうやって風間教官が絡んでくるのかな?ということを読む楽しみがありました。

現代の話として読むよりも、
軍国日本時代の諜報人材育成学校の話と思って読むと、
面白く読めるかと思います・・・・って、それじゃあ某シリーズか(爆)。


教場 (小学館文庫)教場 (小学館文庫)
長岡 弘樹

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