『企業の知恵で農業革新に挑む!』
- 2017/08/12(Sat) -
山下一仁 『企業の知恵で農業革新に挑む!』(ダイヤモンド社)、読了。

一時期、他産業からの農業参入ってニュースというかブームになってましたよね。
ユニクロとか、オリックスとか、近鉄とか。

今、思い返すと、その後どうなっちゃったの?という感じですが、
それらの成功事例や失敗事例について詳細に追った本です。

この本が凄いのは、登場してくる企業や農業部門責任者が
しっかりと実名で登場し、そして、農業政策や農協への批判も含めた意見を
きっちりと自分の言葉で語っていること。

農協から嫌がらせを受けたとか、行政から不公平な対応を受けたとか
そういう告発のようなものまで含んで発言を取っているのは、
著者とインタビュー相手との信頼関係がないとできないことだと思います。

そして、そういう告発をスキャンダラスに扱って終わるのではなく、
何がいけないのか、何故改善できないのかということまで
著者が掘り進めて解説してくれるので、非常に勉強になります。

農業従事者の減り具合に比べて、
農家数はそれほど大きな減り具合になっていない。
つまりは、家族で農業をしていたものが、おじいちゃんだけの農業になってしまったり
サラリーマンが本業の兼業農家になってしまったりという事象の現れ。

農業は大変というイメージがありますが、
これって、兼業でも農家ができてしまうということでもありますよね。
まぁ、農業一本で食べていくことは大変なことでしょうけれど、
副収入的に農業を続けることは可能なわけで、
そこが、零細商店の廃業率の高さと比べて、
農業が惰性的に続いてしまう理由なのかなと。

そうすると農協は、そういう惰性の人を囲い込んで自らの地盤を守ろうとするでしょうし、
行政も、国のトップが農政改革を打ち出さない限りは現状維持を目指すでしょうから、
チマチマとした成長性のない産業に成り下がってしまいますよね。

本作では、果敢にも、そのような農業政策に挑んでいく
カゴメ、ワタミ、セブンアイ、らでぃっしゅぼーや、パルシステム等の企業を
その立ち上げから、現在の事業スキームまでつまびらかにしており、
どこで農協や行政とぶつかったから、どう方向修正したかも描いています。

企業という立場で、農業に参入する勇気ある人々を応援したくなる一冊です。


企業の知恵で農業革新に挑む!―農協・減反・農地法を解体して新ビジネス創造企業の知恵で農業革新に挑む!―農協・減反・農地法を解体して新ビジネス創造
山下 一仁

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