『だから日本はズレている』
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- 2017/07/07(Fri) -
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古市憲寿 『だから日本はズレている』(新潮新書)、読了。
先日読んだ上野女史との対談で、 著者を見る目が変わったので、早速著作を読んでみました。 「リーダー」「クールジャパン」など12個の切り口で 日本のおかしなところを指摘しています。 語り口が非常に軽いので、サクサク読めます。 「新進気鋭の社会学者が書いた本」として捉えると、拍子抜けしてしまうかもしれませんが、 「日本の変なところに突っ込みを入れたエッセイ」として捉えると、面白く読めます。 著者は一応、若者目線で日本を見ていますが、 しかし、若者に肩入れするわけではなく、今の日本の若者の限界も踏まえています。 今の若者に改革は無理とか。 もちろん、メインの突っ込みは、日本を動かしているオジサンたちに向けてのものであり、 確かに著者の言うとおりだなぁ・・・・・と納得する部分は多いのですが、 しかし、では、どう変えれば良いのか、変われば良いのかという視点は、 著者の物言いの立場からは生まれてこない気がしました。 何というか、社会学者の限界と言いますか・・・・・。 私自身、大学で社会学を学びましたが、 基本的に、現実世界を批判することで脚光を浴びる学問分野だと思ってます。 その批判が適切か、不適切化は別にして。 その場合、批判対象が居ないと目立てないわけで、 本作で言えば、ズレた日本がそこにあってくれないと、 社会学者としての発言がしにくくなってしまうわけです。 そして、批判が主役なので、解決策の提言が弱いというところが 社会学の弱いところではないかと感じています。 私自身、好きな社会学者の先生はたくさんいるのですが、 総じて、分析結果には納得できるも、提言内容には首をかしげたくなるケースが 多々あります。 提言内容に納得できるのは、むしろ分析内容のリアリティの無さに不満が残る 経済学の先生の方が多いです。 両方の学問の成果を捉えて、 自分なりの折衷案を見極めていくしかないですかね。
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