『里海資本論』
- 2017/07/04(Tue) -
井上恭介、NHK里海取材班 『里海資本論』(角川新書)、読了。

『里山資本主義』が売れたからって、パクリか!?」と思いきや、
藻谷さんとの共著者が書いた2番目の本でした。
失礼しました。

瀬戸内海でのカキ養殖による水質浄化や藻場再生の話に始まり、
海が身近な生活を送る人々の姿を描いていきます。

本作の主張で共感できたのは、
単に「自然は素晴らしい!」「環境保護だ!」と言うのではなく、
あくまで目指すのは自然との共生であり、人間の手を加えることで
自然の恵みを最大化しようというところ。

これまでの海を巡る経済活動は、短期的な視野での利益最大化を目指していたので
乱獲などの問題を抱えていましたが、長期的な視点を入れることで、
資源管理することが利益の最大化につながるという判断になります。

これは、私が大学生だった頃にモヤモヤと感じていた
経済学と社会学の視座の違いみたいなところと繋がり、共感できたのだと思います。
経済活動としては利益最大化や事業継続を目指しますが、
それにより生まれた社会問題を、私が学んでいた社会学のゼミテンたちは
「社畜」などと呼んで批判していました。

でも、私は、社畜では従業員の体力が続かず、離職もするだろうから
長期的に見れば企業にとってマイナスな事態であり、
従業員の働きやすさを追求して全体のアウトプットを高めるという視点は
企業側も持つインセンティブが働くはずだと思っていました。
経済活動と人間らしい生活の両立というところでしょうか。

それは、本作では、人間の暮らしと自然の共存という形で表現されており、
すんなりと腑に落ちたのかなと。

自然と人間、人間と経済、異なる立場の者たちが
お互いの利益を最大化できるポイントが、必ず見つかるのではないか、
それは、主義主張が異なる人間同士の間においても同様に
折り合う点が見つけられるのではないか、
そういう前向きな気持ちになれる本でした。


里海資本論  日本社会は「共生の原理」で動く (角川新書)里海資本論 日本社会は「共生の原理」で動く (角川新書)
井上 恭介 NHK「里海」取材班

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