『十二人の手紙』
- 2017/07/02(Sun) -
井上ひさし 『十二人の手紙』(中公文庫)、読了。

手紙のやり取りだけで短編集に仕立てたもの。
私信の往復から、届け出書類の羅列まで、
様々な形式の書面が登場しますが、
どれも書面だけで、その裏に流れる物語が想像できるようになっており
さすが井上ひさしという感じの作品です。

しかも、各話がゆるやかにつながっており、
最後に強引ながらも一堂に会させるという手腕と構成力。
ぐいぐい読ませてくれました。

手紙というツールを軸にする以上、
現代を舞台に描くのは難しいかと思います。
逆に、昭和どっぷりな舞台設定が新鮮味もあり、
最後まで気を抜かずに読めました。

今ならメールなりSNSなりになるのでしょうが、
時間のギャップがある手紙ならではの面白さですね。

どの作品も、最後にどんでん返しが待っており、
手紙の往復だけという制約がありながら、
こうも鮮やかにひっくり返してみせるのは、さすがとしか言いようがありません。

驚きに満ちた短編集でした。


十二人の手紙 (中公文庫)十二人の手紙 (中公文庫)
井上 ひさし

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