『限界集落株式会社』
- 2017/06/02(Fri) -
黒野伸一 『限界集落株式会社』(小学館文庫)、読了。

タイトルに惹かれて買ってきました。
いわゆる過疎の農村で、近代農業を行うというお話。

主人公は、IT企業を退職し、起業を企むエリート人材。
起業前の息抜きにと立ち寄った祖父の村で
就農研修を受けている若者たちに出会います。

そこから、何となく成り行きで近代農業ビジネスを始めることになるのですが、
なぜ、主人公がそこまで首を突っ込むことになったのか
腑に落ちる描写がなく、モヤモヤしました。
近代農業を活用したビジネスチャンスの話と、
自分自身の時間と体力を使って近代農業を経営する話とは
一線を画したものなのに、なんだかなし崩し的に関るように話が進んでいき、
エリートビジネスマンっぽい思考回路じゃありません。

近代農業の具体的な経営手法やマーケティング手法は興味深いところもあったのですが、
物語として納得性がないんですよね。

なので、小説というよりは、初歩のビジネス本を小説風に書きました!的な
「まぁ、読み物としては不十分でも仕方ないな・・・・」という妥協を孕んだ感想になりました。
理解を促すために、複雑な現実世界の喜怒哀楽やしがらみの話は
シンプル化しちゃいました!的な。

一次産業が目指す理想像が描かれていると思いますが、
就農研修者からリタイアが出なかったり、農協の抵抗がそれほどでもなかったり、
人材確保がスムーズにいったり、隠し財産が有ったり、
ちょっと上手く行きすぎな展開が多くて、中盤で風呂敷を広げ過ぎたために
終盤の収拾がつかなくなっている感じでした。

ま、でも、一次産業の夢みたいなものが語られてますし、
可能性も感じられる内容だったので、
こういうところから農業に興味を持つ人が増えたら良いなと思いました。


限界集落株式会社 (小学館文庫)限界集落株式会社 (小学館文庫)
黒野 伸一

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