『犬とハモニカ』
- 2017/05/25(Thu) -
江國香織 『犬とハモニカ』(新潮文庫)、読了。

サクッと読める小説はないかな・・・・と手元の積読本を探して、
見つけたのがこの一冊。薄い本に6つの短編が収まっています。

冒頭の表題作「犬とハモニカ」。
とある空港の到着ロビーで行きかう人々の生活を
断片的に描いてみせた作品。

何という出来事が起きるわけではないのですが、
短い描写の中で、それぞれの人が背負った人生の在り様をズバッと見せており、
それぞれの人が交じり合う一瞬を捉えて、お互いの人生を切れ味良く評価させています。

この技量たるや!
どうやったら、こういう作品を描こうと思いつけるのでしょうか。
物語の構成、登場人物たちの人間性、交じり合う一点の内容、
どれも絶妙な匙加減で作られています。

後で裏表紙を見たら、川端賞受賞作だとのこと。
そりゃ、そうですわな。素晴らしい作品です。

他にも、人間たちの交じり合えない様子を描いた短編が並びますが、
印象に残ったのは、『源氏物語』を現代風にアレンジした「夕顔」。
女心の機微が、イマドキの女の子の言葉遣いで描かれているので、
妙にリアルな感じがして面白かったです。


犬とハモニカ (新潮文庫)犬とハモニカ (新潮文庫)
江國 香織

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