『氷雨心中』
- 2017/03/04(Sat) -
乃南アサ 『氷雨心中』(新潮文庫)、読了。

日本の伝統的な工芸品の職人世界を舞台にした短編集。
染物、杜氏、提灯など、その製造現場には馴染みのない世界が続き、
日本の工芸文化を覗き見るには面白い作品でした。

しかし、小説として見た場合、情感を描くことが優先されてしまっており、
プロットの輪郭が弱いように感じてしまいました。
物語がぼんやりしてしまっているというか、
「えっ、ここで終わり!?」みたいな感じを受けるものが多かったです。

その中で、表題作の「氷雨心中」は、
短い枚数の中で、50年前の封印された出来事が現在に甦り、
登場人物たちの「情」が一点においてスパークする感じで、
これは見事な世界観の作品だと思いました。

逆に、この作品と他の作品との温度差が
読み手としての私の中にありありと生まれてしまい、
後半は読み流し気味の読書となってしまいました。


氷雨心中 (新潮文庫)氷雨心中 (新潮文庫)
乃南 アサ

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