『SOSの猿』
- 2017/02/20(Mon) -
伊坂幸太郎 『SOSの猿』(中公文庫)、読了。

ポップに知的で面白い作品を読みたいなぁ・・・と思い、
積ん読状態の伊坂作品の中から本作を選んでみました。
裏表紙に「面白くて考えさせられる、伊坂エンターテイメントの集大成!」
とあったので。

いきなり西遊記や悪魔憑きの話から始まるのですが、
ポップさというより理屈っぽさ全開で、
期待していた突き抜け感は得られなかったです。

エクソシストを副業とする(?)「私の話」と、
株の誤発注問題の原因究明に取り組む男について語る「猿の話」とが
交互に繰り返される物語構成で、
いったいこの話は、どこでどうやって繋がっていくのだろうかと
それが気になってグングン読めました。
そこは、さすが伊坂作品。

読み進められるんだけれども、なんか伊坂作品としては
すっと腹に落ちてこない感じのもどかしさ。
以前にも別の作品で感じたのですが、
内面に落ち込んでいくときに、極端な思考回路で思いつめちゃうタイプの
キャラクターが登場する作品は、理屈っぽくなり苦手なのかも。

「私の話」と「猿の話」は、ちゃんと「五十嵐真の話」として
繋がって収斂していくのですが、
ちょっとずつ不整合を起こしているというあたりは、
面白い仕掛けだなと思いました。
そして、その理由も、悪魔とか孫悟空とかではなく、
ユングを介しつつも、なんとなく現実世界に折り合いをつける感じで
まとめていくところも、さすがです。

スカッと爽快!というまでの終わり方ではなかったですが、
1つ1つ原因は究明されていくので、読み終わったときの
「あぁ、読み終わった」という感覚は十分得られました。


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伊坂 幸太郎

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