『十角館の殺人』
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- 2007/02/17(Sat) -
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綾辻行人 『十角館の殺人』(講談社文庫)、読了。
「現代の都会にかのホームズ氏が出現したとしても、おおかた滑稽さの方が目立つ」 と作者自身が登場人物に語らせていますが、 その有効な解消策として出てくるのが「嵐の山荘」とのこと。 で、本作は、その宣言どおり「嵐の山荘」パターンに突入するわけですが、 やっぱり、現実味の無い滑稽さは拭えないのかなという気がします。 「嵐の山荘」に陥るシチュエーションが非日常的ですし、 さらにそこで巻き起こる一連の騒動が、非常に特異な内容ですから。 その突飛さを受け入れて非日常性を楽しむのが、 この手の作品のオモシロさかなと思います。 さて、今回は、綾辻作品2作目だったのですが、 やっぱり叙述ミステリにしてやられました。 前回読んだ『迷路館の殺人』よりも、本作のトリックのほうが面白かったです。 しかしながら、最後の50ページでの興奮のために 最初の300ページがくっついているような印象も受けてしまい、 作品全体を通して緊張感を孕んでいるほうが 個人的には好きだなぁと感じてしまいます。
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