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『原稿零枚日記』
- 2017/01/16(Mon) -
小川洋子 『原稿零枚日記』(集英社文庫)、読了。

不思議なタイトルだなぁ・・・・と思って買ってきたのですが、
タイトル以上に中身が不思議なお話でした。

女性作家が、原稿を書こうとするも書けない日々を
日記形式で綴っているのですが、
その毎日に起きる出来事がなんとも不思議。

苔料理専門店に迷い込んだり、
無関係の小学校の運動会に参加したり、
スーパー銭湯で子宮風呂に遭遇したり。

日記のように書かれていますが、
そこに出てくる世界は夢の中のように頼りなく歪んだ世界。
どこまでがこの作家の廻りで本当に起きていることで、
どこからが作家の妄想の世界なのか、分からなくなってきます。

全てが妄想の世界の話であり、
本当は、この作家さん自体が居ないのかも、
作家だと思い込んでいる人の日記なのかも・・・・と思えてしまいます。

なんだか、立っている世界がボロボロと崩れていくような恐ろしさ。

小川洋子、やっぱり怖いです。


原稿零枚日記 (集英社文庫)原稿零枚日記 (集英社文庫)
小川 洋子

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-小川洋子「原稿零枚日記」-
集英社2010年8月 第1刷発行234頁 9月のある日から翌年8月のある日まで、ひと月に数編日記を書いているのは、もう若くはない女性作家日常の出来事を書き綴った日記のはずが気づけば幻想の世界に導かれ、また知らぬ間に今日の終わりに戻される 最も感心したのは「○○... …
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