『原稿零枚日記』
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- 2017/01/16(Mon) -
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小川洋子 『原稿零枚日記』(集英社文庫)、読了。
不思議なタイトルだなぁ・・・・と思って買ってきたのですが、 タイトル以上に中身が不思議なお話でした。 女性作家が、原稿を書こうとするも書けない日々を 日記形式で綴っているのですが、 その毎日に起きる出来事がなんとも不思議。 苔料理専門店に迷い込んだり、 無関係の小学校の運動会に参加したり、 スーパー銭湯で子宮風呂に遭遇したり。 日記のように書かれていますが、 そこに出てくる世界は夢の中のように頼りなく歪んだ世界。 どこまでがこの作家の廻りで本当に起きていることで、 どこからが作家の妄想の世界なのか、分からなくなってきます。 全てが妄想の世界の話であり、 本当は、この作家さん自体が居ないのかも、 作家だと思い込んでいる人の日記なのかも・・・・と思えてしまいます。 なんだか、立っている世界がボロボロと崩れていくような恐ろしさ。 小川洋子、やっぱり怖いです。
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