『ドラママチ』
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- 2017/01/14(Sat) -
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角田光代 『ドラママチ』(文春文庫)、読了。
タイトルを見たとき、意味がつかめなかったのですが、 読んでみたら「〇〇待ち」という意味で「〇〇マチ」という作品が続く短編集でした。 冒頭の「コドモマチ」。 夫の浮気相手が勤めるクリーニング屋に 毎日様子を見に出かける主人公。 クリーニング屋の仕事が終わって帰宅する間も後をつけ、 しかし、眺めるだけで帰ってくるという毎日。 狂気よりの女性が登場する話は、これだけに終わらず、 次の「ヤルキマチ」は何もかもが面倒になり自分の生活にも無関心な女が 周囲の人々を見下しまくるお話。 普通じゃない女性の日常を丁寧に描かれて、さすがに辟易。 次の「ワタシマチ」は、モデルをやるような美貌の女が 冴えない男とデートしてあげる話でしたが、 女性の性格はともかくとして、狂気度は低くなってきて、 だんだん読みやすくなってきました。 その後、「ツウカマチ」あたりから、 ちょっと寂しい女性が主人公の話が増えてきて、 共感度がぐんと上がりました(苦笑)。 なんで、こんなに冷静に突き放して世間を見ちゃうんだろうな・・・・・みたいな。 後半の「ゴールマチ」「ドラママチ」「ワカレマチ」あたりが 面白くて一気読みでした。 男の人が呑気な中で、女は冷たいほどに冷静だよなぁ・・・・なんて。 どの作品にも、印象的な喫茶店が登場し、 町の喧騒と切り離された異空間ぶりも興味深かったです。 喫茶店でコーヒーを飲む醍醐味って、やっぱり日常生活からの離脱ですよね。
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