『三面記事小説』
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- 2016/12/02(Fri) -
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角田光代 『三面記事小説』(文春文庫)、読了。
新聞の三面記事の内容を取っ掛かりに、 小説家が空想を膨らませて事件の背景を描いた短編集。 記事にしてしまうと、新聞紙面の隅っこに数行で片付けられてしまう出来事を、 なぜ、そんな事件が起きてしまったのか、逃れられなかった理由を じっくりと描いていきます。 どの事件にもあるのは「閉塞感」。 事件の結末だけを読むと、「なんで、そんなことを仕出かしてしまうんだろうか?」と 犯罪を断罪したくなってしまいますが、 その裏側にある葛藤を小説として読んでしまうと、 もう、それしか出口がなかったのかな・・・・と思えてしまいます。 いずれにしても罪を犯すことは許されないのですが。 この社会の救いの無さのようなものが ドロドロと描かれており、読後感は重たく暗いです。 でも、今の日本の一面をしっかりと捉えた作品だと思います。
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