『金メダル男』
- 2016/11/22(Tue) -
『金メダル男』

田舎暮らしになって、そもそも映画館が近くにない!
ちょっと離れた町に映画館はあっても本作をやっていない!!
というわけで、県内最大都市にでかける用事があった本日、
ようやく観に行くことができました。

田舎の月曜日の午前中という最も客入りが悪そうなシチュエーションでしたが、
予想通り、150人ぐらい入る箱で、20人も居なかったと思います。

で、肝心の作品の方ですが、
ぶっちゃけて申し上げますと、内村作品の中では最も入り込めなかった結果に終わりました。
残念ですが・・・・・。

まずは、いきなり内村さん(というか大人の泉一)が画面から観客に向けて
語り掛けるシーンから始まった時点で、
「え!?舞台と同じ枠組みを映画に持ってきちゃったのか・・・・・」と思ってしまいました。

内村監督、事前にテレビや雑誌の宣伝で、
「テレビの笑い」「舞台の笑い」「映画の笑い」みたいなことを言っていたので、
違う切り口で来るのかと思ってたんですよ。
しかーし、泉一の独白劇が延々続くという構成は変わらず。
この時点で予想が外れて、ちょっと心の距離ができてしまいました。
映画は映画の見せ方をして欲しかったなと。

で、小学校のかけっこの話から中学、高校と、
知念さんが演じるパートは、まさに舞台と同じく、どんどんエピソードが重ねられていきます。
舞台では、断片的なシーン展開でも見ている人が自分の想像力で補うので
マシンガンのように次々とエピソードが繰り出されても滑らかに受け入れられるのですが、
映画の画面で表現されると、背景や周囲の人たちも全て画面に映ってしまうので、
もの凄く各場面が浅い感じに見えてしまいました。
リアリティのなさというか、コントでもこの展開はおかしいだろうというか。
そして、友情出演の役者さんも無駄遣い感が・・・・。

知念さんが上京するシーン以降は、
だんだんと1つのエピソードで見せる時間が長くなっていき、
次第に映画らしい感じになっていったと思います。
上京の電車のシーンにはホロリと涙してしまいました。
(ただ、なぜ彼が見送ろうと思ったのかは、脈略が不明でしたが)

内村さんのパートでは、やっぱり木村多江さんが良かったです!
『ボクの妻と結婚してください。』でも思いましたが、
この方が作品に与える深みが素晴らしいです。
そして緩急付けた演技が、コメディエンヌとして最高です。

舞台では、もっと泉一と頼子の信頼関係が深く心に残ったのですが、
映画の方は、そこまで心に入ってきませんでした。
うーん、監督ではなく、私の頭が舞台版に引っ張られ過ぎているのでしょうかね。

本作で思ったのは、極論してしまうと、
内村光良という演出家は、映画ではなく「舞台」の人だと。
テレビのコントは、結局はスタジオの中でスタッフというお客さんの前で
セットという舞台を作って「コントの舞台」を完パケで撮ってる行為なんだなと。
テレビドラマや映画は、シーンという断面を切り取って、繋げる行為なんだなと。
司会業は、スタジオでVTR等を見ながら、お客さんの前で手際よく進行しつつも
面白くコメントで味付けする「仕切りの舞台」を見せる行為なんだなと。

だから私は、コントを作ったり、舞台を作ったり、司会をしたりする内村光良が好きなんだなと。
映画を作ったり、ドラマを作ったりする内村光良は、私の中で少し心の距離があるんだなと。
もちろん、映画の内村さんも、ドラマの内村さんも、全部見たいし、
面白いものもたくさんありますが、
基本的に、内村光良はお客さんの目の前で演じる「舞台」の人、
まさに「表現部」の人なんだなと認識しました。
それはそれで、良い気づきを得た作品となりました。


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