『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
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- 2016/10/26(Wed) -
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坪田信貴 『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(角川文庫)、読了。
大ヒット本でございます。 読む前は、タイトルの信憑性を疑っていたわたくし。 例えば、元々成績の良かった子が、何らかの理由でグレて 成績がた落ちの底の状態から数えて偏差値40上がったのかな?とか。 しかし、読んでみて感じたのは、主人公のさやかの素直な人間性。 それをきちんと引き出して指導した著者、 そして何よりも、そういう素直な娘を育てた母の力。 両親の折り合いが悪く、家庭崩壊というような描写がなされていますが、 しかし、母-娘の間の信頼関係は格別です。 とにかく娘のために、表面的ではなく本質的に娘のためになることなら 自分が世間からどのように思われても構わないという覚悟があるお母さんです。 なぜ、このような母親の人格形成がなされたのか、 また、この母が娘に対して、幼少期からどのような教育や躾をほどこしてきたのか、 そちらが知りたくなりました。 さて、主題の著者による、さやかちゃんへの教育・指導ですが、 著者がビリギャルのどこを評価し、それをどのように伸ばしたか、 1つ1つ具体的に描いているので、 ツボの見つけ方と、ツボの押し方みたいなものの事例研究のようで 非常に面白かったです。 本作の読後評には、「結局、ビリギャル自身の能力によるものだ」とするものが 多々あるようですが、私の感想としては、 そういう個々の能力をきちんと見極めて、評価し、それを伸ばしてあげるという 著者の教育姿勢とその成果こそが、評価すべきところではないかなと思いました。 ビリギャルさやかちゃんは、確かに、他のギャルとは異なる資質を持っていたと思います。 でも、その資質を、他のギャルと一緒くたにすることで無視するのではなく、 初対面のシーンで、きちんと見出し、かつ長期にわたって伸ばそうと働きかける この姿勢こそが教育なのだと思いました。 そういう個々人が持つ資質は、本作のようにお勉強の分野かもしれないですし、 今年の夏に五輪で盛り上がったスポーツの分野かもしれないですし、 ビジネスの分野かも、芸術の分野かもしれません。 どんな分野であれ、各個人が持つ資質を見出し、引き出してあげる そのような優秀な指導者の存在が、 今後の日本を下から力強く支えていくのだろうなと感じました。
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