『いのちの食べかた』
- 2016/09/18(Sun) -
森達也 『いのちの食べかた』(角川文庫)、読了。

中学生向けに、主に屠場の話を中心に、
食肉業というか、生き物が食べ物になるまでのプロセスを描いた本。

子供に向けた本ということで、最初に思い出したのが
小学生向けに食肉の授業を行った『ブタがいた教室』
この作品は、設定があざとくて嫌らしいなと感じてしまったのですが、
取り扱かっているテーマ自体は大切な話です。

次に思い出したのが、大学時代に講義の課題図書で読んだ『ドキュメント屠場』。
正直、屠場という場を認識したのは、この時が初めてでした。
まさに、本作の著者が言うように、課題図書として読めと言われなければ
一生気にせずに暮らしていたかもしれません。

そんな気づくきっかけを与えてくれる本として、
本作は、中学生というより早い時期の子どもたちに向けて書いているという点で
大事なものなんだろうなと思います。

語りかけ口調がちょっと鼻につくようにも思ったのですが、
中学生にこのようなテーマで話をするには、やはりこんな柔らかさが必要なのでしょうかね。
もっとストレートに硬質な文章で突きつけた方が、
変な感情を与えずに読めるのではないかなと思いました。

この語りかけ口調のせいか、内容があちこちに飛んで断片的なような気がして
最後に残る印象が、差別の話だけになってしまっているような印象でした。
本作を切っ掛けにより深い本を読んでいくというのなら良いですが、
テーマがテーマだけに、本作のみの読書で終わった場合に
知識がまだらになっているのではないかなと少々懸念しました。


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