『孤独のチカラ』
- 2016/09/12(Mon) -
齋藤孝 『孤独のチカラ』(新潮文庫)、読了。

齋藤センセの本ですが、
いつもの明快に小気味良く進めていく筆とは違って、
本作では、自分の内面についての告白が続きます。

大学入試に失敗して浪人してから大学で職を得るまでの10年間が、
著者にとっては暗黒の時代であったという。

境遇が不遇というのではなく、
自身の思考の結果、周囲と馴染むことを拒否し、
自ら孤独を求めていってしまった10年間。

その暗さや閉塞感に驚かされます。
今、テレビなどで見かける著者の爽やかさとの繋がりが見いだせないほど。

しかし、だんだんと読み進めていくと、
今の著者の歯切れのよいコメントや会話の切り替えしのバランス感覚などを構成しているのは
この暗黒の時代に積み上げた膨大な知識の土台。
そして、自分の暗さや孤独を肯定し、受け入れる力強さ。

著者は、誰もがこのような孤独に向き合うと言いますが、
ここまでの孤独を、孤独として認め、受け入れられる人は
そうそう居るものではないと思います。

こんな土台を持っているとわかってしまうと、
あの笑顔は、仮面のような気がして、少し怖いものさえ感じてしまいますが、
しかし、大人な空気も感じ取れます。

孤独を受け入れた著者には、
世界を飲み込むような凄みがあると思いました。


孤独のチカラ (新潮文庫)孤独のチカラ (新潮文庫)
齋藤 孝

新潮社 2010-09-29
売り上げランキング : 24569

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


にほんブログ村 本ブログへ

関連記事
この記事のURL |  斎藤孝 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
<<『孤高の人』 | メイン | 『パーマネント野ばら』>>
コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://seagullgroup.blog18.fc2.com/tb.php/4965-74122784
| メイン |