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『有頂天家族』
- 2016/08/30(Tue) -
森見登美彦 『有頂天家族』(幻冬舎文庫)、読了。

京都に住む狸の一家を中心に、
敵対する叔父一族、師事する天狗、迫りくる人間の魔の手、
様々な要素をギュッと詰め込んだ物語です。

冒頭50ページぐらいの、
主人公の狸(三男)と天狗先生の間のエピソードが非常に面白おかしく語られていたので
期待値がグンと上がったのですが、
登場人物があれこれ増えてきて、物語の世界が広がり始めたら
それなりに普通の話に落ち着いてきました。

哲学的に面白い話は、やっぱり少ない登場人物の間で、
あれやこれやと議論されている方が面白いですね。

かと言って、本作がつまらなかったわけではなく、
調子っぱずれな感じの特異なキャラクターたちの間で
京都の風景が揺れていて、興味深かったです。

著者の他の作品よりは、断然とっつきやすかったです。

狸と天狗と七福神と蛙の取り合わせの妙。
京都なら、何でも起こり得そうな懐の深さというか
闇の深さがありますな。


有頂天家族 (幻冬舎文庫)有頂天家族 (幻冬舎文庫)
森見 登美彦

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