『パイナップルの彼方』
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- 2016/08/18(Thu) -
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山本文緒 『パイナップルの彼方』(角川文庫)、読了。
新書関連が続いたので、久々に小説をば。 ジュニア向け作品を書いていた著者による 最初の一般文芸ということですが、面白かったです! 23歳、信金勤務の独身女子、親元を離れて一人暮らし、 彼氏はいるけど結婚はまだ先で良い・・・・・・ こんな主人公の身の回りに起きる出来事をつづった小説なのですが、 主人公のモノの考え方が私に近くて、親近感を持って読みながらも、 でも、このまま行くとフン詰まるんだろうな・・・・・と危惧している通りの展開で、 我が事のように捉えてしまいました。 多方面に意識を配って、不用意なところに足を踏み入れないように、 面倒な人間関係に巻き込まれないように細心の注意を払っているつもりでも、 ちょっとしたことから崩れてしまい、一気に大変な事態に陥ってしまう・・・・。 私は、他人と一定の距離を取りたがる性質のため、 この主人公の気の配りようというか、関心を持たないようにするための注意が、 非常に良く分かります。 そして、その距離を取る方策が失敗した時の 恐ろしい展開について、いつも想像して不安な気持ちを携えてます。 幸い、今まで、大崩れしたことがないのですが、 かと言って、これから本作のような大崩れを体験しないとも限らないわけで。 本作は、いろいろ苦労をしつつも 最後はみんな落ち着くところに収まったというか、 ハッピーエンドな感じでしたが、 世の中、そう上手くはいかないわよねーという怖さがあり、 こういう等身大の小説を読むと、ドキドキしてしまいます。 それぐらい、身につまされる作品でした。
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