『at Home』
- 2016/07/28(Thu) -
本多孝好 『at Home』(角川文庫)、読了。

盗人の父、結婚詐欺師の母、パスポート偽造の僕、
高校受験の妹、ゲームの中で世界を守るべく戦い続ける弟、
この5人家族に降りかかった災難とは、なんと母の誘拐!

とにかく、1本も2本も飛んじゃってる家族の騒動は、
騒動が起きなくても騒々しいです(笑)

みんな一癖あるので、家族の会話が毒々しい。
でも、笑える毒々しさ。「家族」としての信頼があるからこその毒々しさ。

この一家の物語の連作小説なのかな?と思っていたら、
次は別の変わった家族のお話。
表題作の家族が気に入っていた私としては、ちょっと残念・・・・・・。

でも、この2番目の一家も相当変。
再婚して義理の父と娘となった2人が
非常に丁寧な敬語を使って会話をしてます。
片方、小学生なんですけど・・・・・(笑)

そんな一家に巻き起こるのは、お母さんの失踪・・・・・って
またまた母親が居なくなっちゃう物語です。
妻が居なくなったときの旦那の動揺ぶりっていうのは、
滑稽なぐらいに深刻ですね。

3話目は、少し毛色が変わって、50代のバツイチおじさんが主人公。
借金帳消しの代償に、外国人女性と偽装結婚をし、なおかつ同居することに。
この外国人女性が日本語を話せない設定のため、
おじさんの空想というか回想世界に落ち込んでいくシーンが多く、
ちょっと重たい作品でした。
2話、3話とだんだん重苦しくなってきて、ちょっと苦手感が先行してしまいました。

最後の話は、子供の頃に失踪した父と偶然再会し、
それから年に1回だけ決まった日に合うことになる親子の話。
話の中で起きている事件は、児童虐待だったり、精神疾患だったり、
まさに現代の社会の病気のような部分を扱っているのですが、
この主人公親子が、どこか間の抜けた生き方をしているので
なんだか憎めない気持ちで作品世界と向き合うことができました。

社会や人間に対する、辛辣な著者の意見が垣間見えるものの、
世の中に対して斜に構えている分、客観的な毒や皮肉が前に出てきて、
嫌な話だけど笑えてしまうという・・・・・この作家さんの特徴であり、才能ですね。
それを堪能できる作品でした。


at Home (角川文庫)at Home (角川文庫)
本多 孝好

角川書店 2013-06-21
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