『渋沢家三代』
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- 2016/07/24(Sun) -
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佐野眞一 『渋沢家三代』(文春新書)、読了。
渋沢栄一の功績は、今更、詳しく語らずとも・・・・という感じですが、 その後、身内から有名な実業家が出ていないことを 不思議に思っていました。 本作では、渋沢栄一、その嫡男の篤二、そしてその嫡男の敬三と 三代にわたって描いていますが、 実業界における実績よりも、各個人の人間性に迫る内容となっています。 実業家としてのノウハウを学ぼうとすると、少し期待はずれかもしれませんが、 家業を息子や娘に継がせたいと考えている実業家にとっては、 切実な問題が描かれているのではないかと思います。 残念ながら渋沢家では、篤二が廃嫡されるという展開を迎え、 跡継ぎ確保には失敗しています。 偉大なる父を持ってしまったが故の結末なのか、 それとも母を早くに亡くしてしまったがための悲運なのか。 渋沢栄一の息子としてではなく、貧しい家庭に生まれていたら、 素晴らしい義太夫の名人として名を馳せたかも・・・・・・ なんていう風に残念がられるのは、本人にとっても辛かったでしょうね。 中学生の時、有吉玉青の『身がわり』を読んで、偉大な親を持つ子供の苦労に 自分の家のレベルはさておき、非常に共感した思い出があるのですが、 篤二の立場から栄一を描くような小説があったら 読んでみたいなと思いました。
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