『下流思考』
- 2016/07/22(Fri) -
内田樹 『下流思考』(講談社文庫)、読了。

現実の世界を学ぼうか・・・・と気軽な気持ちで手に取ったのですが、
いやはや、驚愕の本でした。
これは学びどころが多いです!

今の子どもたちの学力低下を、
学力低下に甘んじているとみなすのではなく、
学力を意識的に向上させない努力をしている子供たちの出現として捉えます。

その本質は、労働主体ではなく、消費主体としての子どもの登場が原因。
等価交換の価値観が浸透しきった子供たちは、
自分の時間を投資して役に立つ授業にしか投資しないという判断が日常化します。

しかし、当然ながら、そんな判断が子供にできるわけではなく、
むしろ大人であっても、これから学びを得る側の人間に
そんな損得勘定ができるはずもなく、本人だけが納得している判断は、
人生を通してみれば失敗に繋がっているという・・・・・・
でも本人はきっと死ぬまで気づかない・・・・・。

本人が気づかないだけで済んでくれれば、それこそ今流行りの「自己責任」で終わるのですが、
国力の低下だったり、もしくはもっと卑近なコミュニティの崩壊だったりに影響を及ぼすので
放置しておくこともできない話です。

では、どうすべきなのか・・・・・・なのですが、
全体の底上げを図るのか、底辺に引きずり込まれそうになっている中間層を引き上げるのか、
極端に言うとこのどちらかになるような気がします。

でも、前者って、理想論なのでしょうけど、具体的な対策が思い浮かびません。
現実的なのは後者のような気がします。

で、後者の対策を取っている間に、底辺層も、「これではやばい」と転換するのか、
ますます底辺に落ち込んでいくのかというと、これまた後者のような気が・・・・・。

結局、どこで線を引くかの議論になってしまいそうで、結論が出なさそうです。

教育問題というのは、今、何か対策を打っても、
結果が判明するのが数年先、下手したら数十年先というスパンなので、
これはもう、どのような教育政策を採るにしても、
国民として、リスクとして捉えるしかないのでしょうね。


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内田 樹

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