『伊勢発見』
- 2016/07/14(Thu) -
立松和平 『伊勢発見』(新潮新書)、読了。

著者の名前と伊勢という組み合わせが目に留まり
試しに読んでみました。

お伊勢参りの話から始まります。
江戸時代、東北の農村を出発した人が、伊勢に向かうまでの間にどこで何をしたか、
そして伊勢を出た後にどこで何をしたか
詳細に追いかけていくことで、当時の一般的なお伊勢参りの様子を再現します。

伊勢神宮は、目的地ではあったけれども、
旅そのものの目的は、伊勢をはじめとする日本各地を見て回ること。
こうやって見聞を広め、新しい文化や技術を自分の土地に持ち帰る。
こういう仕組みが自然と日本中に出来上がっていたというのは、
改めて、その後の日本の近代化の土台になったのではないかと思いました。

そして、本作で興味深かったのは、
伊勢神宮と並べて熊野詣でについてしっかりと考察されていること。
「明るく」「清らかな」伊勢と比較し、「暗く」「清濁併せ呑む」熊野を置くことで、
伊勢神宮の特異性が分かります。

明治天皇以前は、天皇が伊勢に来ることはなかったという指摘については、
目から鱗でした。
確かに、熊野の名前は歴史物語によく登場しますが、
伊勢は出てこないですものね。

紀伊半島で隣接する2つの世界は、
伊勢の国と紀伊の国の境目に当たるツヅラト峠で分けられていたとのことですが、
確かに、このあたりで、山の雰囲気が一気に険しくなるような印象があります。

自然と文化が一体になっていることを
実感させてくれる場所だなと思います。


伊勢発見 (新潮新書)伊勢発見 (新潮新書)
立松 和平

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