『それをお金で買いますか』
- 2016/06/15(Wed) -
マイケル・サンデル 『それをお金で買いますか』(早川書房)、読了。

正義の話に続いて、お金の話。

何でもお金で解決できる市場主義の世界を
「本当にそれでよいのか?」「なぜ道徳的嫌悪感を覚えるのか?」という観点で
論点を掘り進めていきます。

日々のニュースについて、
「何だか納得できない」「腑に落ちない気持ち悪さがあるけど説明できない」という感覚に
陥るケースは多々ありますが、そんな時に、何が気持ち悪く感じるのかを
突き止めて言語化する方法を、本作では学べると思います。

高速道路の割り込み権、Co2排出権の売買、売血、・・・・・
私は比較的、市場主義の世界に抵抗感がないというか、
そういう価値観もあっても良いのではないかと楽観視している方でした。

本作を読み終わっても、大きな方向性は変わっていないのですが、
ただ、市場主義が進み過ぎることで、
犯罪を助長したり、反社会的な思考が幅を利かせたりする世界は
間違っているなと思います。

市場主義の浸透と同時に、それこそ正義や道徳の観念を適切に持つよう教育する
そのバランスが大事だと感じます。
理想論であり、具体的にこうすれば上手くいくという提案はできないのですが。

そのようなバランス感覚を人間社会が身に付けられないのであれば、
著者の言うように、市場主義の浸透を食い止める対応が必要なのかとは思いますが、
では、どうやって食い止めるのかという方法論については、
先ほどの理想論的方法がないのと同様、こちらも良い方法がないように感じます。

であれば、正義や道徳の教育を、困難ではあると分かっていながらも、
粘り強く続けていくしかないのかなと思います。

それほどまでに、現在の市場主義の浸透は進んでしまっており、
今更後戻りはできないように感じています。


それをお金で買いますか――市場主義の限界それをお金で買いますか――市場主義の限界
マイケル・サンデル Michael J. Sandel 鬼澤 忍

早川書房 2012-05-16
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