『みんないってしまう』
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- 2016/05/14(Sat) -
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山本文緒 『みんないってしまう』(角川文庫)、読了。
前回の山本文緒作品がなんだかイマイチだったので、 仕切り直しの短編集です。 大切な何かを喪うお話が12編。 そういうときって、やっぱり心のバランスが崩れていて、 何が大切なのか、きちんと判断できてないということなのでしょう。 通常なら、そういう精神状態の主人公を見て、 「馬鹿だなぁ」と突き放してしまいがちなのですが、 本作は、なぜか納得してしまう展開が多かったです。 客観的にみると、変な行動をとっているのですが、どこか共感できると言いますか。 人間、いつも合理的に動けるわけではないし、 どこか非合理な判断に惹かれてしまうときがあるのでしょうか。 変なことを、「そういうこともありそう・・・・」と思わせてしまうのは、 やはり作家の腕なのでしょうね。 仕切り直しには良い作品でした。
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