『王者の妻』
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- 2016/05/09(Mon) -
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永井路子 『王者の妻』(講談社文庫)、読了。
お初の作家さんですが、上下巻の大作。 豊臣秀吉の正室おねねが主人公の大河モノです。 正直、おねねという人物のことを良く知らなかったのですが、 本作では「糟糠の妻」という役回りになっています。 Googleってみると、女だてらに政治力を駆使した人物という評価もあるようで、 様々な見方があるようです。 本作で感じたのは、各登場人物の役割が劇画化され過ぎているのではないかということ。 おねねは立派な人物で難癖の付け所がありませんし、 茶々は横暴で思慮の足りないお妾さん、 小早川秀秋は粗暴でわがままなのに判断を他人に委ねるお坊ちゃんタイプ、 そして人間性が崩壊していく秀吉・・・・・ 分かりやすいキャラクターづくりではあるのですが、 その分、作品が単調というか、陰影がないといいますか。 上下巻という分量と物語の深みの度合いが アンバランスなように感じました。 ただ、おねねの実績というか業績を知るには 面白い本でした。
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