『透明人間』
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- 2016/04/24(Sun) -
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H.G.ウェルズ 『透明人間』(岩波文庫)、読了。
透明人間というモチーフは、様々な作品で使われてきたと思いますが、 その元祖とも言うべき本作を読んでみました。 どういうストーリーの話なのか知らなかったのですが、 読んでみたら、何だか悲しい話でした。 過酷な研究の結果、ようやく透明になる薬を発明したものの 今度は透明な状態から戻ることができず、苦悩する透明人間。 その「元に戻ろう」とする過程で訪れた村での出来事を綴ったのが 本作になっています。 通常、透明人間という存在を考えるときには、 「透明人間になったら、アレをして、コレをして・・・・」という文脈になるのですが、 本作では、「透明人間であることから脱するには・・・」という文脈で構成されており、 あえて、そこを狙って書いたところが、上手いなぁと思わせます。 SFモノというのは、ただ斬新さや新規性を面白く見せるものよりも、 どこか悲しさがある作品の方が、読み手に深い印象を残すようですね。
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