『幸福な食卓』
- 2016/04/15(Fri) -
瀬尾まいこ 『幸福な食卓』(講談社文庫)、読了。

素敵な本でした!

父を辞めると宣言する父、
家出したのに毎日やってくる母、
天才なのに大学に行かず農業をしている兄、
そんな家族と普通に生活できる主人公、
この一家の面々がすっとぼけてて、とても魅力的です。

兄の恋人のケバいヨシコ、
主人公の恋人の超単純野郎な大浦君、
脇役たちも、かなりずれています。

でも、みんな温かい。
善意の塊というか、悪意がないピュアさというか。
変なことや悪いこともやっているけど、悪意はないんです。

そして、みんな、それぞれの人生哲学を持っています。
どれも変な哲学なんですが、でも、その人の中では筋が通っている。
読んでいて、変わっているなとは思うけど、おかしいとは思わない。
その哲学から出てくる言葉は、すとんと腹に落ちてきます。
そして心地よい。

この作品の中では、死が登場するシーンがいくつかあり、
冷静に考えると非常に悲しいシーンなんだけれども、
その場面に居る人たちの心の動きや、周囲への心遣いを読んでいると、
悲しさよりも温かさの方が強く感じることが出来ます。
人間が作る関係って、素敵だなと思えます。

唯一、この作品内で悪意が全開だった高校の教室は、
一時的な場面としては打開できていましたが、
その後どうなったのかちょっと心配な展開でした。
そこだけが少し心残りとなってしまう作品でした。

でも、全体を通して、非常に温かな心持ちになる素敵な作品でした。


幸福な食卓 (講談社文庫)幸福な食卓 (講談社文庫)
瀬尾 まいこ

講談社 2007-06-15
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