『フリーター、家を買う。』
- 2016/02/15(Mon) -
有川浩 『フリーター、家を買う。』(幻冬舎文庫)、読了。

表紙絵のポップな感じや、テレビドラマの軽そうなイメージ(観てなかったので)から、
コメディタッチの物語を想像していたのに、
なんと引き篭もりの息子、重度の鬱病発症の母親、そんな2人を見ないようにする逃げる父親、
こんな重たい家庭の話で、まずはビックリ。

特に、小心で自信がないのにお酒に逃げて当り散らす父親、これが本当に酷い。
母親の病状が重いことに気づき、嫁いだ姉の本気の怒りにも触れ、
息子が早い段階で改心をしていくので、なおさら父親の現実逃れが際立って酷く目に映ります。

正直、途中で脱落しかけたのですが、
それは、著者の描く内容が、重たい現実を直視したものだったからだと思います。

そんな父親も、母親が自らの体を傷つけるという行為に出たことで、
ついに現実を直視せざるを得なくなり、息子とともに看病に取り組むように。
ここからの父親の改心ぶりは、ちょっと展開が都合が良すぎるんじゃない?という印象もありますが、
しかし、前半での重たい印象を読後まで変に引きずらないようにするには、
こういう展開になっちゃうんでしょうね。

とにかく、前半で、いろいろ考えさせられる本です。

私の父親はきちんとした人なので、母親が鬱病になったとしても放置はしないでしょうし、
私の弟も誰かに当たることを得意としない(怒る行為がストレスになるタイプ)ので、
家の中で会話がなくなるような関係にはならないと思います。

そういう家族関係を築けたことに感謝しつつ、
私が知っている36年間は幸せに暮らせてこれたけれども、
もしかすると、明日、何か凄い事件や新しい出来事が起こって、
急激に家族のあり方が変形してしまうような衝撃が訪れるのかもしれない・・・・・と思うと、
非常に怖くなってしまいました。

「あんなに仲の良い家族だったのに・・・・」「幸せそうな一家だったのに・・・・」というような台詞は
ときどき耳にするものですから、何が起こるかわからないという怖さはあります。

ま、でも、先のことを漠然と不安に思ってても仕方がないので、
今を感謝することに心を注いだ方が良いのだと、この本の感想は締めくくるようにしたいと思います。


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有川 浩

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フリーター、家を買う。 有川浩 就職先を3ヵ月で辞めて以来、自堕落気儘に親の脛を齧って暮らす“甘ったれ"25歳が、母親の病を機に一念発起。バイトに精を出し、職探しに、大切な人を救うために、奔走する。本当にやりたい仕事って?自問しながら主人公が成長する過程と、壊れかけた家族の再生を描く、愛と勇気と希望が結晶となったベストセラー長編小説。 フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)... …
2016/02/15 22:48  こんな世界だからこそ本音を ▲ top

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