『架空の球を追う』
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- 2016/02/08(Mon) -
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森絵都 『架空の球を追う』(文春文庫)、読了。
なんとなしに買ってきた本だったのですが、これは面白かったです! 短編集というよりも、掌編集と呼んだ方がしっくりくるような そんな短いお話が詰まった作品です。 短編というと、星新一氏のショート・ショートや、阿刀田高氏の奇妙な話に慣れ親しんでいるので、 オチがつくことを期待してしまいがちなのですが、 本作では、日常生活のワンシーンを切り取ったような話が多く、 明確なオチがないがために、その余韻でいろいろ思いをめぐらせることが出来ます。 その切り取った日常というのも、大きな事件が起きるわけでもなく、 日常の一コマに過ぎないのですが、 その切り取り方や見せ方が上手くて、自分自身の生活はどうなのかなと ついつい自分に引き寄せて話を読み進めたくなります。 一方で、「こんな視点があったのか!」「こういう考え方の人っているんだ!」というような 着眼点の面白さを感じる場面も多く、読んでいて面白かったです。 こういう、読み手に寄り添ってくる小説というのは、 読んでいて心地よいですし、安心感を覚えますね。
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