『日本復興計画』
- 2016/02/01(Mon) -
大前研一 『日本復興計画』(文藝春秋)、読了。

もともと原発の設計者だった著者が、
3.11直後に福島第一原発の危機的状況に向けて発した提言をまとめた本。

3月13日、3月19日という時点で、
原発対策に関して自分の意見を発信するという行為は、
事態が良く分かっていない中で、自分のバックグラウンドや社会に対するプレゼンスを考慮し、
リスクを負ってまで世の中に働きかけるという見事な姿勢だと思います。

水素爆発を起こした建物の処置に関しても、
特殊テントで覆うというような具体的な対策を提示しており、
少なくとも、政府が行ったようなヘリコプターで水をかけるという方法と同時並行で
検討をしていく価値のある選択肢だったのではないかと思います。
準備にどの程度時間を要するものなのかは素人には分かりませんが・・・・・。

本作の出版も2011年4月30日と、非常にスピーディです。
それが分かった上で、今のタイミングで読むと、
やはり中長期的なエネルギー政策の観点が弱いので、そこをもっと知りたくなります。

1つの敷地内に、いくつも原発を並べてはいけないというのは、
確かに今回のような災害を目の当たりにするとそうだなとは思いますが、
しかし、既に建設しちゃった原発に対して、そんなことを言ってもどうしようもないのであり、
一方で、当面は原発の新設はありえないだろうということは容易に予想でき、
じゃあ、この提案は何に対して行われたんだ?という疑問が残ります。

「もう原発はダメだ」というのはシンプルな意見ですが、
しかし、あと何十年も使い続けるつもりで建設した原発をどうするのか。
潰すのか、止めたまま保留するのか、再稼動するのか、
現実的な議論を、大前氏のような原発の専門知識があり、かつコンサルという観点で
社会的な評価も出来る立場の人に、是非行って欲しいなと思います。


日本復興計画 Japan;The Road to Recovery日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
大前 研一

文藝春秋 2011-04-28
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