『思考停止社会』
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- 2016/02/04(Thu) -
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郷原信郎 『思考停止社会』(講談社現代新書)、通読。
実家のお店のお客様からのいただき本。 何か決められたルールを遵守することのみに心血を注ぎ、 その本質的な意義を問うことを止めてしまうことで陥る思考停止社会。 その問題提起は正しいと思います。 でも、この人の本って、自分が関わった案件について、自分の活躍話になってしまって、 客観的に社会問題に対する問題提起や解決策の提言というレベルに至っていない印象を受けます。 俺って頑張ったでしょ!的な。 冒頭の不二家や伊藤ハムの食品「偽装」問題に対する社会の異常な反応は、 確かに、実際のリスクに対して過剰な批判が巻き起こったということで、 その思考停止的な世論のありようを批判したくなるのは分かります。 「正しく不安がる」という落ち着いた姿勢は、成熟した社会において、重要なものだと思います。 そして、日本人は、例えば地震のような、何度も経験しているリスクに対しては、 世界が賞賛するほどの落ち着き払った行動が取れる一面を持ちながら、 あまり経験のない事象に直面したり、マスコミが報道で煽ると一気に火がついたりする 極端な反応も目に付きます。 だからこそ、事態を正しく把握し、評価しようという姿勢は大事なのですが、 「不二家の偽装は衛生上も品質保持上も全く問題のないものだった」と言い切ってしまうのは、 読者へのアプローチ方法として適切ではないと思います。 言いたいことはそれだったとしても、もっと表現の仕方があるだろうにと思います。 こういう極端な物言いをしてしまうところが、 私が、この著者を、主観的な自分語りの人だと思ってしまう理由なのだろうなと思います。 自分も、文章表現やアプローチ方法に気をつけよう・・・・ということで、 反面教師にしたいと思います。
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