『孤舟』
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- 2016/01/24(Sun) -
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渡辺淳一 『孤舟』(集英社文庫)、読了。
会社でのポスト争いに負け、定年でキッパリと退職した主人公。 しかし、趣味もない60歳の男は、毎日何をすればよいのか途方に暮れ・・・・。 燃え尽き症候群、孤独な老人像、熟年離婚といった 社会問題レベルのものを扱っているにも関わらず、 掘り方が甘くて、単なる1人のおじさんの話で終わってしまっていて残念。 最後も非常に甘々な終わり方で、世の中のオジサンの理想を表現したのかもしれませんが、 現実味のなさに引いてしまいました。 結局、何も問題解決になっていないし、読者に対する問題提起にもなっていません。 というわけで、作品自体は不満足だったのですが、 一方で、自分の父親のことを思うと、少々心配に。 飲食店経営なので定年はないですし、お客様や近所の人たちとの付き合いも きちんとこなして、お店で囲碁の会を開いたり、フランス語教室に通ったり好きなこともしているので、 本作の主人公のような心配はないのですが・・・・。 体力的なことを考えれば、あと3年ぐらいで仕事を辞めると言い出してもおかしくない感じで、 週6日、朝から夕方まで、母と2人でやっている店を閉めたら、 どんな生活が待っているのか、いまいち想像できません。 以前よりは、店の営業時間を短くして夜の時間を自由にしたり、 定休日以外に臨時休業を取って、2人で遊びに出かけたりもしているようですが、 毎日がお休みとなったら、どうするのでしょうか? 娘としては、生活の糧としてではなく、気持ちの張り合いという面で、 何らかの仕事を続けて欲しいなぁと思ってしまいます。 週3日とかでも、昼間だけのカフェ営業とかでも良いので。 そろそろ、こういう話も両親としていかなければいけないなと思う読書になりました。
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