『球体の蛇』
- 2016/01/04(Mon) -
道尾秀介 『球体の蛇』(角川文庫)、読了。

幼なじみの姉妹の姉が子供の頃に自殺した。
その真相を知る主人公の男は、姉に似た雰囲気を持つ女性に出会い、
その女性に会いに行くのではなく、覗きに行くために床下に潜る・・・・・。

江戸川乱歩か!という感じの設定ですが、
床下に潜るという行為も、あくまで物語の中の1つのパートに過ぎず、
主人公と姉妹をめぐる物語が、長い時間をかけて語られ、振り返られ、進んでいきます。

この姉のサヨの人物造形が何とも不気味で、
大人の行動ならまだしも、小学生、中学生の頃に、このような思考回路を持っているとなると
相当に歪んだ何かを感じてしまいます。

その妹のナオは、純真で明るい女の子なので、ますます対比が際立ってきます。
しかし、その純真さは、姉の影響があることが段々と分かってくるにつれて、
こちらも何か歪んだものを感じざるを得ません。

大人になって、ようやく、コトの真相らしきものに近づいては行くものの、
その解釈は読者に任されており、自分なりの読み方ができるようになっています。

いくつか考えられるストーリーがあるのですが、
いずれにしても切ない結論になってしまうのが、何とも言い難いです。

読ませてくれる一冊でした。


球体の蛇 (角川文庫)球体の蛇 (角川文庫)
道尾 秀介

角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-12-25
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