『本能寺の変 431年目の真実』
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- 2015/12/30(Wed) -
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明智憲三郎 『本能寺の変 431年目の真実』(文芸社文庫)、読了。
なぜ明智光秀は本能寺の変を起こしたのか その真相に、光秀の子孫が挑むという作品です。 前半、他の歴史家が唱える諸説に対して、1つ1つ反論をしていくのですが、 外堀から埋めていくような作業で、多少退屈です。 が、中盤以降、著者の主張を説明していく段になると、 そのプロットにおける各要素、事件のつながりが明らかになっていき、 視野が開ける感覚を覚えました。 著者の説に主に関わってくる、秀吉、家康、土岐氏といった面々は、 そういう企みごとをしても違和感ないなと思えます。 そういう点で、著者の説には、変な突飛さがないので受け止めやすいです。 そして、いかにも彼らがそういうことを行いそうだというイメージがあることも、 本として読んでいく上で想像しやすくて読みやすいです。 そのように整理してしまうと、なんだか新鮮味のない説のように聞こえてしまいますが、 私としては、中国進出というキーワードが目新しく、秀吉ではなく信長を軸に 中国進出、そのまえの朝鮮出兵という展開を想定すると、 冷静な知性をもった武将には暗い未来しか想像できなかったということなんでしょうね。 最初は、娯楽性のない書きぶりに、ちょっと取っ付き難さを覚えましたが、 後半のプロットが動き出すと、下手にエンタメ性を味付けしていない分、 著者の主張の重みが感じられて、面白い読書になりました。
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