『本をつんだ小舟』
- 2015/12/06(Sun) -
宮本輝 『本をつんだ小舟』(文春文庫)、読了。

宮本輝氏による読書エッセイ・・・・・ぐらいのつもりで買ってきたのですが、
壮絶な少年時代のことが描かれており、読みふけってしまいました。

父親の女性問題、事業の失敗、そして母親のアルコール中毒、自殺未遂など、
これでもかというぐらいの負のスパイラルに巻き込まれた中学、高校時代について、
読書遍歴を通して、その当時の自分の姿や立ち位置を描いていきます。

読書体験は主観的なのに、
当時の自分が置かれていた環境の描写は突き放すほどの客観性があり、
作品の世界感に圧倒されました。
上手く言い表す言葉を持ちえません。

少年時代の苦しい日々から、ある種、逃れる術になっていたのではないかと思われる読書は、
私が、のんべんだらりと時間つぶしに使っている読書とは
全く異なる体験であり、価値を持つのだろうなと感じました。

読書体験が、自分の骨身になり、自分そのものを作っていくというのは、
こういうことを言うのだろうなと、具体的に自分の身に置き換えることができないながらに
想像をめぐらす読書となりました。


本をつんだ小舟 (文春文庫)本をつんだ小舟 (文春文庫)
宮本 輝

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